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音楽コラム集|From アメリカ

【コラム】Difference 〜アメリカと日本のスタジオの違い〜 Part1「月貸しスタジオ」

2015.07.05

nb26_p10_1.jpg 僕は、ロサンゼルスにあるMI、ボストンにあるバークリー音楽院を出て、その後はロサンゼルスで暮らしています。これまで、いろいろな場所でリハーサルをすることがありました。日本とアメリカでは楽器の練習場所、とくにバンドでの練習環境が結構違うと感じたので、いくつか紹介していきたいなと思います。 アメリカでは、最近、時間貸しのスタジオも結構増えきたのですが、リハーサルスタジオというと月単位で契約するスタジオが多い印象です。ロサンゼルスには、8階建てのビルの上から下まですべて月貸しのスタジオというところもあります! 治安のあまり良くない地域にあるようなスタジオでは、ビルの入り口にはガードマンがいたり、エントランスでのセキュリティが厳重になっています。日本ではこういう地域はあまりないですよね。 nb26_p10_2.jpg さて、月貸しのスタジオは契約すると、基本的に24時間好きなときに部屋を使用することができます。部屋の広さにもよるのですが、だいたい1ヶ月300〜500ドルくらい。日本円で考えると3〜6万円といった感じ。5人のバンドで借りると1人1万円くらいで1ヶ月使い放題と考えると、それほど高額ではないかもしれませんね。 ただ、こういったスタジオは、ただの部屋で機材が備えてありません! ドラムセット、ギターアンプなどの楽器はもちろん、PAミキサー、スピーカー、マイク、マイクスタンドなども置いていないので、自分たちですべて用意しなければいけません。でも逆に言えば、バンドの形態などによって必要なシステムを組むことが可能なので、好みのスピーカーやマイクをそろえることも可能です。それに、一度セッティングをしておけば、それ以降スタジオに着けば、すぐに練習を始められるので、メリットとも考えられますね。 また、こういうスタジオはバンドで借りなくてもOKです。たとえば、生徒を持っているミュージシャンが自分専用の教室として使っている場合もあったりと、借りている人が結構カスタマイズして使っています。このほかにも、ドラムやアンプに常時マイクをセッティングしておき、すぐに録音できるようにしてあったり、部屋の中にボーカルブースを作ってレコーディングできるようにしてあったり、といろいろなスタジオを見たことがあります。広い部屋だと、そこで暮らしている人も時々いますよ! 解約して退去するときに元通りにすればOKなので、みんな結構自由に使っていますね。 Yukihide YT Takiyama Profile YT_prof01.jpg カリフォルニア州ロサンゼルス在住のギタリスト。ギターだけでなく、ベーシスト、作曲家、アレンジャーとしても活躍する。ボストンにあるBerklee College of Musicで編曲、オーケストレーションを学んだ後、ロサンゼルスに移住。 J-POPにおいてはKAT-TUNのシングル「Lips」を作曲。ビリー・シーン(ベース)、サイモン・フィリップス(ドラム)とともにギタリストとしてレコーディングにも参加。その他、嵐、KAT-TUNの数々の楽曲にギタリストとして参加している。 また、2010年より氷室京介氏の楽曲制作に携わるようになり、同氏のアルバム「"B"orderless」では多数の楽曲でギター演奏、編曲で参加。2014年3月からスタートした全国50カ所に及ぶ、氷室京介25th Anniversary TOUR GREATEST ANTHOLOGY - NAKED - にギタリストとして参加。同ツアー会場限定で1st EP「YT」をリリース。2015年1月には、2nd EP「Drop Down」をiTunes Music Storeで配信リリース。今年5〜7月には、3ヶ月連続でEPリリース。そして、7月18日(土)にはファン待望のワンマンライブ(渋谷O-nest)の開催が決定している。自身の作品ではソウルフルなボーカルも聴くことができる。 公式サイト http://whyteamusic.com レーベルサイト(eyelet) http://www.eyeletmusic.com ビーエスエム(株)http://bsmusicinc.com