最先端を行く音楽の都"Los Angeles"

【コラム】最先端を行く音楽の都"Los Angeles"  第3回「 ゴスペルミュージシャンとの出会い」

【コラム】最先端を行く音楽の都“Los Angeles”

第3回「ゴスペルミュージシャンとの出会い」

 

まずは、この動画をご覧ください。

 

 

これは、今から約10年前、僕がまだ日本に住んでいたときにYouTubeで発見した動画。

この動画を見つけて以来、教会に行ってみたいとずっと思っていました。

もし、これが本当に日常的に行われているのであれば、アメリカってものすごいところだな! っていう想いが膨れ上がったのです。

ブラックミュージックをとくにたくさん聴いていたわけではなかったですが、ゴスペルミュージシャンの映像を見つけるたびに、「この人たちは、とにかく練習し尽くされてるし、それを心から楽しんでる」と思いました。

 

●居心地の良いスピリチュアルな空間

日本人のほとんどが、”ゴスペル”と聞くと映画『天使にラブソングを』を思い浮かべますが、教会の規模は様々で、僕の経験上どんな小さな町のどんな小さな教会にも必ずドラムセット、鍵盤(ハモンドオルガンかキーボード)、ベースアンプ、ギターアンプが置いてあり、その教会のファミリーまたは外部のミュージシャンに演奏を依頼します。

クワイヤ(聖歌隊)の人数も20人くらいのところもあれば、4、5人で歌う教会もあります。

また、黒人教会、白人教会、ヒスパニック系の教会、アジア系と様々な人種の教会がありますが、それぞれ音楽性も異なります。

僕が初めて演奏した教会は、今年の3月に連れて帰ったLoud As FunkのドラマーReggie Johnsonがレギュラーで演奏しているFriendship Baptist ChurchというPasadenaにある黒人教会。

毎週木曜日の夜に、1、2時間の短いリハーサル。

日曜日の礼拝は、朝10時〜12時のOne Serviceといったスケジュール。

教会によっては朝8時〜10時と11時〜13時の2回、夕方も加えて3回やるところもあります。

約2時間のService中、最初の1時間は演奏してお客さん全員で歌い神様を讃え、その教会に初めて来た人達を歓迎します。

残りの約1時間はPastor(牧師さん)によるPreaching(お説教)があり、人々はその話を聞きます。

そして、Serviceの終わり際にもう1曲演奏して終わり、といった流れが基本となります。

歌詞の内容は聖書に書かれている内容がほとんどで、歴史を辿れば黒人奴隷の解放を祈ったところから始まります。

彼等はリハーサルの前、本番の前、ご飯を食べる前も必ずお祈りをします。

当たり前の日々への感謝を忘れることはありません。

信じる力、感じる力、そしてその力強さがSOULとなり歌や楽器を通して人を突き動かします。

 


West Angeles教会で歌うJonathan Buttler

 


ゴスペルアーティストJohn P. Keeのバンド

 

●お金のかからない強力な英才教育

要は、子供のころからずっとそれを聞いたり触れたりして育つのです。

とくに黒人教会の音楽性はファンキーかつメロディアスでJAZZ的要素もたっぷりあり、しかも感情に訴えかけるそのサウンドは嫌味の一切ない、すべて音楽的でとても洗練されています。

教会には、そこのメンバーじゃなくても誰でも自由に出入りできますし、教会の規模によっては児童を預けられる部屋があり、そこが幼稚園や小学校のような機能を果たします。

子どもたちは、Serviceが終わったあと、直接楽器に触れたりそのバンドの人達に楽器奏法を教わることもできます。

そうやって生まれながら最高の音楽に触れ、耳の肥えたとんでもないレベルのミュージシャンたちが、今Stevie Wonder、Ariana Grande、Lady Gaga、Justin Bieber、Bruno Marz、John Mayer、Beyoncéといった世界を動かすアメリカンポップアーティストのバックバンドを務めています。

お金を持っている家庭が、ピアノやバイオリンを子供の将来のためと思って親の意思でやらせ、自分の子供がそれが好きかどうかも分からない状態で、先生に言われたことを一字一句守り、半強制的に音楽に触れさせ、莫大な金額を払って音大に行くのとは訳が違います。

 


Justin BieberのバンドのドラマーDevon’Stixx”Taylorのインタビュー

 

続く。

 

第4回を読む

 

【Profile】

Yuki “Lin” Hayashi

1983年生まれ、千葉県出身。音楽学校にて、Jazzセオリーを学ぶ。2005年、バンドでメジャーデビュー。バンド脱退後、2006年から2012年まで東京でスタジオミュージシャンとして活動。K、寺岡呼人、Nokko、久保田利伸、小柳ゆき、植村花菜等と共演。様々なアーティストのレコーディング、ライブやツアーに参加し、2012年10月からLos Angelesに拠点を移す。2015年から現在まで、毎週月曜に行われているLAで最も人気の高いライブミュージックイベント「SuperSoul Monday」のレギュラーベーシストとして参加中。デトロイト出身のシンガーソングライター/プロデューサーのJMSNが2016年にリリースしたアルバム『It Is』と2017年リリース『Whatever Makes U Happy』にベースで参加し、その後アメリカツアー、ヨーロッパツアー(ポーランドのOpener’ FestivalとイギリスのGlastonbury Festivalを含む)、そしてアジアツアーに参加。そのほか『Loud As Funk』という名の自身のバンドで、毎週日曜にJam Sessionを開催。2014年からスタートしたそのJamも、今では世界のトッププレーヤーたちが集まる注目のミュージックスポットになっている。

 

アメリカでの共演Artist:

JMSN (Live, Tour, Recording)

Melanie Fiona (Live)

Mario (Live)

Amber Navran from Moonchild (Live)

Tisha Campbell (Live)

John Mayer (SuperSoulMonday special guest)

Thundercat (SuperSoulMonday special guest)

Earth Wind and Fire (Album release party at Xen lounge)

Chanice (Live)

Michel’le (Live)

Chritopher Williams (Live)

Tom Browne (Live)

Elijah Blake (Recording)

Kamasi Washington (Live)

Leona Berlin (Tour)

 

Twitter
https://twitter.com/linbassman

 

Instagram
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