ギター・ベース

【エフェクター特集】轟音、静と動 甘美なシューゲイザーの世界 第1回

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音楽が多様化し細分化され数多くのジャンルが誕生した中で、コアなジャンルと言える「シューゲイザー」。近年、大御所バンドの再結成や日本の若手バンドがシューゲイザー的アプローチ、エッセンスを取り込んでいることから、耳にしたことのある人も多いであろう。
シューゲイザー(shoegazer)とは、1990年始めにあるバンドの批判記事から生まれた造語である。その名前通り、ミュージシャンが靴(shoes)をじっと見る(gaze)ようなプレイスタイルから造られた。

■ バンド、サウンドの特徴
1.ボーカルが力強く歌わない
2.ギタリストのエフェクター量が尋常ではない
3.フィードバック、ノイズ、原音を感じられないほど強いディストーション
4.爆音ではなく轟音
5.急に飽きて方向性を変える、新曲を何年もリリースしない

■ 代表的なアーティスト

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1.「my bloody valentine」
“シューゲイザー=マイブラ”といっても過言ではないバンド。1991年に発売された「Loveless」はシューゲイザーの金字塔であり、「only shallow」「soon」は必聴である。そして2013年、22年ぶりに発表されたアルバム「mbv」 、フジロックへの出演など活躍に期待してはいるが…またしばらく何もしないであろう。

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2.「ride」
1988年に結成。浮遊感漂うサウンド、マイクガードナーの穏やかな歌い声が心地いい。1990年「Nowhere」発売、最初のシューゲイザーアルバムとして産声を上げた。が、突然、バンドは空中分解し解散。だが、2014年再結成を発表。2015年5月からツアーが始まる。ぜひ日本でも公演してほしいところだ。

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3.「slowdive」
1989年結成。まさに名前の通り、ゆっくりと飛び込んでいくような浮遊感が漂っている。夢の中で落下していくときは、こんな音楽が流れているのだろうと想像してしまうようなサウンドだ。寝る前、夜道を散歩するとき、ぜひ「Morning rise」を聴いてほしい。言葉で表現できない感情を持つことだろう。2014年フジロックに出演も果たしており、今後の動向に期待。

日本にも多くのシューゲイザーバンドが存在しており、とくに高円寺界隈で賑わいを見せている。
また、近年では「ニューゲイザー」と呼ばれるシューゲイザーからの影響を感じ、エレクトロニカ、ポストロックなどの要素を取り入れたバンドも増えており、今後の展開が非常に楽しみである。

ここからは、シューゲイザー特有のギターの「轟音」に焦点を当て、実際の作り方を紹介。シューゲイザーの音を擬音で表すとならば「ゴーーーーー」や「ガーーーーー」だが、多くのギタリストが大量のエフェクターを用意し、セオリー通りではない使い方、つなぎ方を実践し甘美かつ壮大なサウンドを作り出している。

■ 3大要素
1.フィードバック
2.ノイズ
3.浮遊感

1.フィードバック
フィードバックというと聞こえはいいが、要はハウリングである。ハウリングコントロールこそが、秘訣とも言える。
重要なのは、”歪み”である。シューゲイザーでは、アンプ側で歪ませることは少ない。アンプのほうが上品な深みのある歪みを作ることは簡単だが、あえてチープさやおもちゃ感を出すためにコンパクトエフェクターを利用するギタリストが多い。
オススメの歪みエフェクターとしては、「electro-harmonix/BIG MUFF」だ。ファズとディストーションを合わせたようなワンアンドオンリーなサウンドのエフェクターであり、数多くのバージョン、種類がある。その中でもシューゲイザーに合うオススメは、「LITTLE BIG MUFF」と「BASS BIG MUFF」だ。どちらも名機ロシアンビッグマフを彷彿とさせるサウンドであり、歪みも強く、フィードバックを出すにはもってこいのエフェクターである。音の壁ともいわれるシューゲイザーサウンドを作るうえで重要な低音も問題なく出すことができる。

2.ノイズ
ノイズと聞くと、無駄なもの、邪魔なものと思ってしまうかもしれない。しかし、そのノイズすら表現の一つとして利用するのだ。だが、最初から最後までずっとノイズを出し続けているわけにもいかない。ではどうするか。
「ワウ」というエフェクターを使う。ワウは、その名前の通り、音が「ワウワウ」する。通常のつなぎ方としては、最初=ギターから一番近い位置につなぐのがセオリーであるが、ノイズ発生器として使う場合は、最後=アンプに一番近い位置につなぐ。そうすることで、「ジュワァァァァ」とした音を作ることができる。
ワウには、王道の「VOX/V847A」、定番の「Jim Dunlop/cry baby」などがある。cry babyは、高音にかなり特徴があるので、ライブで目立つことは間違いない。バンドアンサンブルを重視するならば、VOXがオススメだ。
次回は、シューゲイザーでもっとも重要な浮遊感について、必要なエフェクターも交えながら解説予定。
ここまで読んで、めくるめくシューゲイザーの世界に興味を持っていただけたであろうか。轟音のサウンドの中で、はかなげに歌うボーカル、一曲の中で静と動があり日本人が好む”何か”がある気がする。

(NOAHBOOK 阿部遼助)

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electro-harmonix BIG MUFF
<取扱店舗>吉祥寺店、高田馬場店、都立大店

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electro-harmonix BASS BIG MUFF
<取扱店舗>渋谷2号店、野方店、初台店、吉祥寺店、高田馬場店

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Jim Dunlop cry baby
<取扱店舗>銀座店、野方店、吉祥寺店、高田馬場店、渋谷1号店、初台店、赤坂店、新宿店、下北沢店、秋葉原店、三軒茶屋店

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VOX V847A
<取扱店舗>渋谷2号店、自由が丘店、池尻大橋店