音楽コラム集

【コラム】ラッコのドラム時字通信 #21『ドラマーからのご質問 Vol.8』リズムキープ続編

 前回のご質問に続いて、リズムキープのご質問にお答えします。

Q2:曲を演奏していくうちに、気持ちが盛り上がって来て、どんどんテンポが速くなってしまいます。それを防ぐ方法はありますでしょうか?

Q3:フィルでリズムがよれてしまいます。どうしたらいいでしょうか?

A2&3:前回のご質問のQ1ではライブ中、Q2は練習中でもテンポが早くなるとのことですが、プロのミュージシャンでもテンポが上がることはよくありますし、サビやAメロによってテンポが変わることはありますよ。テンポが早くなることが良くないのではなくて、違和感があるから問題と感じるのではないでしょうか。
 他者を意識してしまう、自分でも気持が盛り上がってしまう、というメンタル面のお答えの前に、ドラム教育ではパターンを学ぶことから始まることが多いように思います。ここが盲点だと思います。その曲には、生まれて来た原型というグルーヴがあります。たとえば、レゲエだとナイヤビンギという伝統的なリズムがあります。そのリズムが進化してレゲエになったと言われています。Q3にも共通のお答えですが、楽曲の速さをただ単にテンポとだけ捉えて、リズムキープだけを考えて演奏すると、単純でつまらないビートになります。その楽曲のリズムアレンジ、コードや歌詞等の雰囲気、作曲者の趣向をよく理解し、その曲のグルーヴがいったい何を目指しているかをとらえることが必要だと考えます。歴史をよく学び、今聴いている音楽がどのように生まれ発展して来たかを知り、自分が奏でている音の1音1音に集中して、相対的な音の相関を俯瞰(ふかん)で聴けるように自分の意識を集中させること。そうすると、他者の評価や自意識とは別次元で音を奏でることができるようになります。
 古(いにしえ)のロックスターのようにお酒などで自分を飛ばしての演奏もあったかも知れませんが、まずは素面(しらふ)で自分と正直に向かい合って練習することが大事だと思います。スタジオでコツコツと練習されているミュージシャンの皆様の健闘と健康を祈ります。

三嶋 RACCO 光博

Drummer&Producer
シアターブルックのドラマーとしてEPIC SONY RECORDSよりアルバム発表後、聖地霊地を巡る。 現在、静岡県菊川市の社会福祉法人草笛の会で知的障がいのあるメンバーとアフリカの打楽器ジャンべを活用した新しいお囃子グルーヴバンド『草笛リズムマシン』を結成。施設のメンバーとウクレレや打楽器を作る楽器メーカーとしてもスタート。音楽と福祉の融合を目指す。静波海岸のサーフポイントにレコーディングスタジオを創り、『パードン木村氏』と制作を開始。

Blog : http://www.myspace.com/raccospace
Email : camnacorp@gmail.com