音楽コラム集

【コラム】リハスタでできるレコーディング講座#5「ボーカルレコーディング 後編」

 前回は、ボーカルレコーディングのセッティングについて説明しました。今回は、ボーカルレコーディングの際に使用するコンプレッサーについて説明します。

コンプレッサー
 音響機器のコンプレッサーとは、特定の値以上の入力を圧縮する機材です。
 これをボーカルレコーディングの際に使用することで、小さい入力を大きくしたり、突発的な過大入力を防ぐことが可能になります。
 一般的なコンプレッサーには、スレッショルド、レシオ、アタックタイム、リリースタイムの4つのコントロールがあります。

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スレッショルド・レシオ
 コンプレッサーはある決められた値以上の入力を圧縮しますが、このある決められた値というのがスレッショルドです。このスレッショルド以上の入力の圧縮量を決めるのが、レシオです。
 レシオは、一般的には1:1〜∞:1まで設定することができます。これは入力:出力を表していて、4:1なら4の入力があったときには1出力し、20:1なら20の入力があったときには1出力する、という意味になります。
 たとえば、スレッショルドを12、レシオを2:1に設定した際に、20の入力があったとします。このとき、スレッショルドの12に対して8の過大入力が発生します。この8の過大入力に対して2:1のレシオを設定しておくことで4が出力されることになります。レシオを4:1に設定しておけば2が出力されます。1:1に設定すれば、1の入力に対して1が出力されるので原音と同じだけの音量が出ます。

アタックタイム・リリースタイム
 これは、コンプレッサーがかかる時間を設定するものです。これをコントロールすることで、幅広い音色を作ることができます。
 アタックタイムでは、スレッショルド以上の入力があった場合、どの程度の早さでコンプレッサーをかけるかを決めます。
リリースタイムでは、アタックタイムとは逆で、コンプレッサーがかかっている状態から、入力がスレッショルドを下回った場合に、どの程度の早さでコンプレッサーが圧縮をやめるかを決めます。スレッショルドを下回った瞬間に、すぐに圧縮をやめてしまうと、極端な音の変化がついてしまい不自然になってしまうことがあり、これを防止するために調整します。また、リリースタイムを長く設定すれば、常にコンプレッサーがかかった状態にすることもできるので、それを用いて音質を変化させることも可能です。

 このコンプレッサーをボーカルレコーディングに使用すると、サビなど盛り上がる場面でスレッショルドを設定した以上の音量を抑え、それによって全体の音量を上げることができるので、一曲を通してある程度均一に音量を稼ぐことができるようになります。

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