音楽コラム集

【コラム】ミュージシャンのための英会話 #20 「英語でテレビを見よう」

 最近はケーブルテレビ(日本だとCSと呼ぶのでしょうか)がだいぶ普及してきたので、家庭でもアメリカのドラマをより手軽に視聴できるようになりました。
 英語の学習にも、これを活用しない手はないと思います。でも犯罪捜査モノばっかり見ていると、覚える言葉もhomicide(殺人)、manslaughter(故殺)、COD(cause of death:死因)なんてものばっかりになってしまうかもしれませんが。
 日本人にとっての英語学習の目的の一つがコミュニケーションだとすれば、テレビドラマの英語が理解できることが目標となりうるでしょう。究極的に言えば、英文法を学問的に理解できなくてもドラマで使われている言葉がわかれば、それでいいということになると思います(通常は文法を理解していたほうが、理解が楽になるとは思いますけどね)。文法や書き言葉は理解できるけれどテレビがまったくわからないのでは、全然意味がないというか方向性が誤っているように思います。
 このように日常的に使用されている言葉を体験することで、辞書や教科書に(まだ)載っていない用法を学習することもできます。たとえば、”walk”。「(十分な証拠がないために)被疑者が刑務所・留置場から釈放される」を、”He/She will walk” と表現します。犯罪ドラマでは、結構使われていますね。それから “walk” の別の用法としては、”We should walk”(もう交渉は止めるべきだ)などと使うこともあります。
 自分の英語の能力を確認したければ、ニュース番組がいいと思います。とくにイギリス英語を使う予定のある人には、BBCがお勧めです。日本ではイギリス英語を学習する機会が絶無なので、BBCで生の(かつ最新の)イギリス英語を体験できるのは貴重だと思います。ちなみに、ニュースのほうがドラマよりも理解するのは楽だと思います。アナウンサーは論理的かつ綺麗な発音で話すからです(語彙はニュースのほうが難しいかもしれませんが、それはちょっと調べればいいので)。英語を使って仕事をしたいと考えている人は、CNNやBBCがわかれば何とかなると思います(業界用語は別途学習する必要がありますけどね)。
 個人的には『24』や『Lost』、『Friends』よりもおもしろいドラマに数多く出会っているので、みなさんもぜひいろいろ見てみてください。

 さて、『ミュージシャンのための英会話』は今回で終了となります。長いこと、ご愛読ありがとうございました。このコラムを見て連絡を取って来てくれた方々もいたので、このような機会をいただけたことに感謝いたします。それでは、また!

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鈴木 koyu 浩
ベース奏者・翻訳家。
バークリー音楽大学入学を機にアメリカへ。その後のシカゴ生活を含め合計6年間滞米。U2や ボブ・ディランなどのプロデューサー、ダニエル・ラノワの自伝『ソウル・マイニング』(2013年3月みすず書房より出版)を翻訳。ノアミュージックスクール・ベー ス科講師。
www.youtube.com/koyubass