音楽コラム集

【コラム】リハスタでできるレコーディング講座 #3 ベースダビング編

 今回のテーマは、ベースダビングです。
 バンドレコーディングでは、比較的地味な印象と言われることの多いベースですが、録り方やミキシング次第で多彩な表現を持たせることができます。実際のレコーディング現場では、どのように進められているかを解説します。

■音作り
 まずは、アンプでスピーカーからの出音を作り込みます。バンドでのアンサンブルを考えながら、ベーシストが作る音を確認します。
 ベースアンプのスピーカーからは、迫力のある豊かな低域が得られ、空気感や躍動感を捉えることができます。少しぼやけた印象になる場合やアタック感が欲しいときなどは、ラインの音を徐々に加えていくことで、音の輪郭がはっきりし明瞭度が上がります。ラインの音を加えた際、低域が減衰してしまう場合は、マイクで拾った音とラインの音が逆相になっている可能性がありますので、位相を反転させてみてください。

【アンプ録り】
■マイキング
 スピーカーユニットのひとつひとつの音を確認し、一番良く鳴っているユニットを選びマイクを立てます。
 スピーカーユニットのセンターを狙うと、輪郭のはっきりとしたサウンドになります。狙うポイントを、センターから外側にしていくと、高音が少しずつなくなり柔らかいサウンドになります。
 マイクは1本ということが多いですが、、違う種類のマイクを2本立てて音をブレンドしたり、ブース内にアンビエンスマイクを立てる場合もあります。

■マイクの選択
 ベース録りのときに使用頻度が高いマイクとして、SENNHEISER MD-421やElectro Voice RE-20、AKG D-112などが定番と言えます。アンビエント用には、NEUMANN U-87などがよく使われます。

【ライン録り】

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 近年、アンプシミュレートプラグイン(写真)等の発達でライン録りでも十分に良いニュアンスが出せるということもあり、ライン録りする機会がとても増えています。
 ライン録りでは、ベースの信号を直接ミキサーやオーディオインターフェイスに送れるようにするDI(ダイレクトボックス)が必要です。最近、各メーカーからも様々な機種が発売されていますが、その中でも代表的な機種をご紹介します。

AVALON DESIGN U5
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 ノイズが劇的に少なく、プリセットトーンで様々な音色が選べることで人気があります。”これ1台あればレコーディングはOK”という方もいるほど絶大な支持を得ています。

COUNTRYMAN
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 オーソドックスで、広く使われているDIの代表格。迫力ある低域と輪郭がはっきりしたラインをブレンドすることができます。

BOSS DI-1
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 定番のDIです。ベースのみならずキーボードやギター等に幅広く使われています。

 最近、発売されているオーディオインターフェイスには、Hi-Zのライン入力が付いているものも多く、もちろんそれを使用してベース録りを行うこともできます。

 プロの現場では、スピーカーの音とラインの音の両方を録り、ミックスでブレンドさせることが主流です。スピーカーで鳴らせるときでも、必ずラインで録っておくことで、あとからの音色加工に役立ちます。
 ラインで録った音をベースアンプに送り、スピーカーで鳴らした音をマイクで録音する”リアンプ”という方法もあります。
 みなさんも、様々な録り方にチャレンジしてみてください。

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川嶋信博
NOBUHIRO KAWASHIMA
9月12日、仙台市に生まれる。中学生のとき、英語の授業でビリー・ジョエルを聴いて音楽に目覚める。2010年、エンジニアを目指し上京。レコーディングスタジオ「サウンドアーツ」に所属。シシドカフカ、FADE、LG MONKEES、PLASTIC TREE等様々なセッションに参加。リハーサルスタジオでのレコーディングなど、様々なシチュエーションで活躍している。現在、ピアノ弾き語りアルバム制作中。