音楽の仕組み

【コラム】音楽の仕組み #20 吸音・遮音について

 音楽を演奏する者にとって、騒音問題は悩みの種で近隣への配慮が必要です。そこで、今回は防音について触れてみましょう。
 まず、楽器やアンプなどの音は、直接聞こえる音だけではなく、壁や床などに反射した音も含まれています。この反射音を抑えることを「吸音」と呼び、壁を通過する音を抑えることを「遮音」と呼びます。ですから、よく誤解されますが、遮音=吸音ではありません。
 吸音効果が高いと反射音が少ないため自分に聞こえる音が小さくなりますが、通過音にはあまり変化がありません(図1)。逆に、遮音はできているが吸音ができていない場合、騒音問題は起こりませんが、反射音が大きいので、中にいる人には音がうるさく聞こえ、快適な演奏の妨げとなってしまいます(図2)。

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 自宅で演奏する場合は、やはり「遮音」が重要になります。現在の住宅では、壁に断熱材も入っているので、昔と比べ遮音性能が向上しています。さらに遮音効果を高めるためには、窓やドアなどのサッシの隙間をなくして、音が漏れないように「密閉」することが最も一般的な手法です。
 よく練習場所として挙がる風呂場や押入れは、壁が薄く、断熱材も入っていないことがあるので、遮音性能は低い場合がほとんどです。空間が狭くて布団など吸音効果があるので、防音効果が高そうに思えますが、実は逆に音が漏れやすい所なので注意が必要です。
 また、高音に比べ、低音は壁を通過しやすい性質を持っています。低音楽器を演奏する場合は、さらに遮音効果が必要となります。

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加度克紘
高校入学と同時にSAXを始める。甲陽音楽学院に入学し、荒崎英一郎氏に師事。その後バークリー音楽大学に入学し、Fred Lipsivs、Dino Govoni、Bill Pierce各氏に師事。卒業後帰国上京し、活動する。
www.katsuhirokado.com
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