ドラム・パーカッション

【レポート】五十嵐公太 Drums & X(Others)PRESENTS スペシャルクリニック第10・11・12回

第10回・11回・12回 開催レポート
毎回、さまざまなパートの有名実力派ミュージシャンとのコラボレーションを実現している、ドラマー五十嵐公太のスペシャルクリニック。全12回が、ついに完結! 白熱のラスト3回をレポート!

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第10回 開催レポート
ゲスト SHUSE.Bass
2010. 4.24(sat)atサウンドスタジオノア三軒茶屋店1st

第10回目のゲストは、La’cryma Christi、Acid Black Cherry、44MAGUNUM等で有名なベーシストSHUSE氏。
Acid Black Cherryの『眠り姫』を演奏後、話題はレコーディング秘話に。五十嵐氏のこの曲の120というテンポが苦手という話から、テンポが1違うだけでこんなに違うんだよと、テンポを121にして再度この曲が演奏され、参加者もそのノリの違いに驚いていた。
続いて、La’cryma Christiの『偏西風』が演奏されると、会場から歓声が!
最後に、SHUSE氏が「今後、チャレンジしていきたいことは?」「俺はピック弾きでいくぞと思ったきっかけは?」などの質問に答え、クリニックは終了した。

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第11回 開催レポート
ゲスト Sakura.Drums
2010.5.22(sat)atサウンドスタジオノア野方店CSst

第11回目のゲストは、L’Arc-en-Ciel、ZIGZO、S.O.A.Pなどで有名なドラマーSakura氏。
ドラマーという肩書き以外にムックやシドの制作にも携わっているSakura氏は、「12音では表せない音って絶対にあって、その音を感じる力がドラマーにはあると思う」と、ドラマーがプロデュースをするうえでの利点を語った。
「ドラムに限らず楽器演奏というのは、1曲につき3テイクを超えるとおもしろくなくなる」。Sakura氏は、これを証明するために、急遽、参加者から一人選び、同じギター&ベーストラックに合わせて4テイク叩かせ、一番いいテイクを参加者全員に選ばせた。すると、その通りの結果が!
その後、10個以上の質問に答え、次々と参加者の悩みを解決していった。帰るときの参加者の顔は、非常にすっきりしているように見えた。

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第12回 開催レポート
ゲスト TAKUYA.Guitar(ex. JUDY AND MARY)
スペシャルサポート 河辺 真.Bass
2010.6.13(sun) atサウンドスタジオノア野方店CSst

最終回となる第12回目のゲストは、JUDY AND MARY、ROBOTS、上木彩矢wTAKUYAなどで有名なギタリスト兼ソングライター兼プロデューサーのTAKUYA氏。
一般募集したピアノ弾き語りの曲を、今回のクリニック内で生アレンジするという、かつてない斬新な試みが行われた。参加者にも見えるように、大きいホワイトボードに譜面を掲載。その小節数やコードをどんどん変えていくTAKUYA氏。その真剣さに、会場は静まり返っていた。
「こういう作業をして、この曲も作りました」とJUDY AND MARYの『小さな頃から』『くじら12号』を演奏。少しでも演奏を近くで見たいと、バンドの最前列に参加者の壁ができたのは印象的であった。

五十嵐公太氏にInterview

全12回のクリニックを、大盛況のうちに終了させた五十嵐公太氏に最後に独占インタビューを敢行! クリニックの裏話から今後の展望まで、貴重なお話がうかがえた。

–全12回、お疲れ様でした。

ありがとうございました。

–全日本人ドラマー化計画の一環としてのイベントということでしたが、そもそもこのイベントを始めるきっかけは何だったのでしょうか?

いろんなミュージシャンとコラボレートすることによって新しいものができるという発想が、今社会の中で広がって来ています。そこで、今回のように少人数しか入れないスタジオという狭い空間の中で、自分の信頼するミュージシャンと話をすることによって、今までにないクリニックというカテゴリーを越えた何かができるのではないかと考えたことがきっかけです。クリニックやライブに所属しない何か新しいモノ、限られた空間なので密会みたいな雰囲気なんだけれど、ポピュラリティもあるモノ、いろんな人が見てみたい、聴いてみたいと思うモノ、ふだん聴けない話が聴ける特別なモノをやりたかった。

–ライブハウスを使ってもっと大人数でやればいいのではないかと思うほど人気がありましたが、スタジオという狭い空間が独特な雰囲気をかもし出していたように思います。

ステージが30cm上がるだけで全然違う世界になってしまう。ステージが高くなればなるほど演者と参加者との距離が出てくる。スタジオという空間だったからこそフレンドリーにできたし演者もちょっとスキを見せたりということもあった。そんなところまで見せちゃっていいの、というのもありましたけどね(笑)。自分たちもふだんのリハーサルをやっている感覚でやれたのではと思います。

–このクリニックは、月1回で全12回だったので1年もかかりましたが、長く感じられましたか?

逆に、ゲストが12人しか呼べなかったので友達から「どうして、俺を呼ばなかったんだ?」というクレームが結構ありました。だから、あやまりまくってます(笑)。「次回は、必ず呼ぶから」とか言って。
最初は、この人に頼もうと思ってたんだけどスケジュール的にダメだったりとか、そういうこともありました。
ただ、ゲストを決めるにあたってはパートが偏らないようにしました。ドラムクリニックだからってドラマーばかりにならないようにとか、いろんな広がりがあるようにしました。

–こういったクリニックに関して、今後の展望についてお伺いします。

こういうコラボレーションをいろんな人がやったらいいな、と思います。そのプロデュースを自分ができるんだったら…してみたい。『この人とこの人が一緒にやったら楽しいだろうな』と思っているのもあるし、今までにない色んなことができるんじゃないかと思います。

–クリニック全体を通しての感想を。

今は情報がすごくいっぱいあり過ぎるだけに、実は本当のことを知らない人が多いと思うんです。若いミュージシャンに「プロの生の音、聴いたことある? ネットや雑誌で集めた情報だけのイメージになってない?」と聞いてみたい。その場で、どんな音を出しているのか? どんなことを考えてやっているのか? どんなことをしているのか? そういう生の情報をあんまり収集しようとしていないような気がします。プロの音って違うんですよ、届き方が。技術の部分なのかハートの部分なのかわからないですけど。実は、そういう生の音を聴かせたかったイベントだったんです。

–最後に、クリニックに参加された方々にメッセージをお願いします。

まず一番言いたいのは『ありがとう』。あと、絶対得したと思いますよ(笑)。自分も、あれだけの楽しい空間を共有できて本当によかったです。

まとめ:NOAHBOOK 井田和幸