テレビ音響効果の世界

【インタビュー】中島克に聞く、テレビ音響効果の世界

第1回 ゴジラとチャンバラに見る、アナログ時代の音響効果

ーまずは、音響効果の歴史から教えてください。

日本の効果音で一番インパクトのあるものって何かっていったら、ゴジラの声じゃないかと思うんですね。すごいじゃないですか。あれが、1954年なんですよ。私が生まれる前のことです。コンピュータやシンセサイザーがない時代なので、完全にアナログの効果なんですよ。アナログで効果音を作るって、本当に大変なことだと思うんですよ。ゴジラの声は、実はコントラバスの弦を松ヤニを付けた皮手袋で引っ張って出した音なんですね。その音をもとに、チェーンソーの音などを混ぜて。
あとは、チャンバラの人を刺す音。あれで、時代劇が革命的に変わるんですよ。ただ人間を刺すと、本当にああいう音がするかというと、そういうことではないわけで。当時よく音響効果さんが使った素材の一つにキャベツがあるんですよ。キャベツは、空気の層があるので、ブスッといういい音が録れるんです。最初は、カボチャを刺したり、白菜を刺したり、食べ物だけではなく、あらゆるものに挑戦したと思うんですけど。初めて殺陣に効果音をつけた映画は、1954年の黒澤明「七人の侍」といわれています。ゴジラも1954年だし、この年あたりが音響効果元年といったところでしょうか。またテレビでは、1963年の五社英雄「三匹の侍」が初めてといわれています。
とにかく、アナログの時代は、もしかしてこれでイメージした音を作れるかもしれないという効果の人の発想力がすごかった。

(次号に続く…)

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中島 克(なかじま まさる)
有限会社サウンド・デザイン・キュービック代表取締役。1985年、東京サウンドプロダクションを退社後、キュービックを設立。TSP在籍時には、テレビ朝日「川口探険隊」の選曲を担当。独立後は、「今夜は好奇心」 「驚き桃の木20世紀」などの番組も担当した。現在は「星新一のショートショート」「美の巨人」など楽曲制作も含め幅広く活動している。
サウンド・デザイン・キュービック http://www.cubic-power.net