音楽とお仕事

【コラム】音楽とお仕事 第7回「自分の“縁”をたどることから始めよう」/村田誠二(明日のドラマーを考える会)

「自分の“縁”をたどることから始めよう」

 今、みなさんが手に取っているこの小冊子、0円ですが、その制作には、企画を立てるプロ、写真を撮るプロ、ページをレイアウトするプロ、広告をとるプロ、文章を書くプロ、文章や写真をオペレートするプロ……など、多くのプロが関わっています。その一人ひとりが読者を想定しながらアイディアを絞り、腕を奮って取り組み、一つの制作物が完成するわけです。
 その中で私は、文章を書くプロです。しかし私は、文章を書くのは好きでしたが、そもそも文章を書くプロではありませんでした。私は昨年まで12年間、編集者として音楽出版社に勤めていました。編集者の本来の仕事は、前述のさまざまなプロの方達を、ある企画制作の下にオーガナイズし、彼らと密にコミュニケートしながら、写真を撮ってもらい、原稿を書いてもらい、レイアウトをしてもらうのです。ところが、私が在籍したのはドラム専門誌。音楽が好きかどうかだけでなく、“ドラム”が好きかどうか、さらに奏法や音色、譜面、楽器に対する知識までもが高いレベルで要求されました。取材対象もプロのドラマーとドラム関係者ばかりです。こういった専門誌では、編集者は企画を立案しオーガナイズする以上に、取材で得た事実を、自分の専門知識と経験を総動員して正確に理解し表現することが求められる。そして、その知識と理解と経験を生かして、写真も撮るし原稿も書くし、楽器も試打するし譜面も書く……これが仕事になっていきました。
 仕事は縁です。私も幼少から音楽が好きで、中学の頃ドラムに惹かれ、バンドを組んで演奏していました。それが高じて専門誌に携わり、12年間でいろんな縁がありました。そしてフリーの編集者兼ライターとなった今、その縁を形にしたいと思い“明日のドラマーを考える会”を発足し、10月に『もっとドラムがうまくなる7つの最強プログラム』という教則本の出版に至りました。ここには、ドラムのことだけでなく、目標を定めてそれをどう実現させるかを考えること、自分の好きなもの=“縁”を大切にすること、そしてその営みが“あなたらしさ”だということを書いています。みなさんも自分の縁をたどってみてください。大いに悩みながらも、どんなプロになりたいかが見えてくると思います。

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村田誠二
明日のドラマーを考える会『もっとドラムがうまくなる7つの最強プログラム』
山村牧人&明日のドラマーを考える会=著
リットーミュージック[税込み:1,890円]
●著者の山村氏を始め、ピエール中野氏(凛として時雨)から村上“ポンタ”秀一氏まで、多くの縁から生まれたこの本には “ドラムのチカラ”が満載です。