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【スタジオのツボ】もうハウってるなんて言わせない!『脱ハウリング計画』

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「ハウってる」の意味、わかりますか?

スタジオやライブ、はたまたカラオケで、スピーカーから「キーン」という高音や「ブーン」という低音が鳴って、耳が痛くなったことありませんか? このスピーカーから発振音が出る現象をハウリングと呼びます(フィードバックとも呼びます)。「ハウってる」というのは「ハウリングをしている」の略語になります。これは、かなりの大音量になることが多く、大切な耳を傷めたり、スピーカーの故障の原因になったりします。ハウリングを防止するということは、スタジオのリハーサル環境をよくする大切な要素なのです。

■そもそも、なぜハウリングは起こるのでしょうか?

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マイク→ミキサー→パワーアンプ→スピーカー→マイク→ミキサー ……
このように音がループしてしまうとハウリングを起こします。

■では、ハウリングを防ぐにはどうしたらよいでしょう?

上記で説明したように、ハウリングとは音のループによって起こる現象です。ですから、ループしないようにすればハウリングは防止できます。上記の場合だと、スピーカーの音をマイクが拾ってしまうことからループが生まれているので、マイクがスピーカーの音を拾わないようにすればハウリングは防げます。

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○マイク→ミキサー→パワーアンプ→スピーカー

マイクがスピーカーの音を拾わないようにする具体的な方法を、よく見られるスタジオ内でのボーカルを例に、見ていきましょう。

【1】ボーカルは、できるだけスピーカーから離れる

【2】マイクがスピーカーの方を向かないようにする

【3】マイクの頭部分を手で覆わない

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マイクの頭部分を手で覆うように持つと、パラボラアンテナのように周りの音をマイクに集めてしまい、ハウリングしやすくなります。意外とやってしまう人が多いので、少し注意してみるとよいかもしれません。

【4】SHURE BETA 58Aを使ってみる

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サウンドスタジオノアでは、主にSHURE SM58をボーカルマイクとして貸し出していますが、同じSHUREからBETA 58Aというマイクも出ています。BETA 58Aは指向特性がスーパーカーディオイドというSM58より音を拾う範囲が狭い機種になります。これを使うことにより、周りの音を拾いづらくできます。

■SHURE BETA 58Aを貸し出しているサウンドスタジオノアの店舗(無料)

代々木店、池尻大橋店、自由が丘店、初台店、駒沢店、三軒茶屋店

さらに、マイクがスピーカーの音を拾うこと以外にもハウリングする原因があります。以下、そのうちのいくつかを例にあげて、ハウリングを防ぐ具体的な方法をご紹介します。

【5】マイクを大きい音のするものから遠ざける

声に合わせて音量調節をしても、マイクが声以上に周りの音を拾ってしまうと、ハウリングする原因になってしまいます。ドラム、ギターアンプ、ベースアンプなど大きい音のするものからは、可能な限り離れてマイクを使用しましょう。

【6】ミキサーのツマミは適正値で使う

ミキサーのフェーダー(スライド式のボリューム)は、「U」(=「0」)以上に上げると、途端にノイズが増え、ハウリングしやすくなります。フェーダーは「U」で固定し、音量調節は「TRIM」 (=「GAIN」)で行いましょう。そして、もう一つ気をつけなければいけないのが、エフェクトリターンのツマミです。エフェクトリターンは、少し上げただけでノイズを発しハウリングしやすくなります。エフェクタのかかり具合は、エフェクトリターンを「U」もしくはそれ以下の値で固定し、センドで調節するとよいでしょう。

【7】ミキサーのローカットボタンを使う
「ブーン」という低音のハウリングは、ミキサーのローカットボタンで防ぐこともできます。カットするといっても、ほとんど音楽に関わりのないような超低音を軽減するので、リハーサルには影響しません。

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【8】グラフィックイコライザで防ぐ

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使用しているマイクやスピーカー、部屋鳴りなどによって、ある特定の周波数からハウリングします。したがって、グラフィックイコライザを使って、その1番始めにハウリングする周波数を抑えると、全体の出力をもっと大きくすることができます。ところが出力をさらに大きくしていくと、今度は別の周波数がハウリングを起こしてしまいます。すると、その周波数をまた抑えることになります。しかし、こうしてこの作業を繰り返していき、ある程度の数の周波数がハウリングするようになってしまうと、グラフィックイコライザで防ぐのも限界ということになります。

【A】サウンドスタジオノアでは、ほとんどすべてのスタジオで、このグラフィックイコライザを使った調節を行い、最適なリハーサル環境をご用意しています。

○今まで挙げた注意点のほかに、ハウリングする細かい要素は、まだまだあります。ハウリングでお困りの時は、サウンドスタジオノア各店スタッフに気軽にご相談ください。

■音楽って、やっぱりすごい!

ここまでは、ハウリングはリハーサルの大敵だという話をしてきましたが、このハウリングを意図的に利用することもあります。エレクトリックギターのフィードバック奏法です。ギターアンプやエフェクタの音量を必要以上に上げ、さらにギターのマイクであるピックアップをギターアンプのスピーカーに近づけて、ハウリング音を出すのです。こんな一見邪魔としか思えないハウリングまで利用してしまう音楽って、やっぱり奥が深いですね。