楽器NEWS

【スタジオのツボ】リハスタで録る!「マイキングテクニック」

昨今のDAWの発展により、リハーサルスタジオでもセルフレコーディング環境が整えられるようになりました。しかし、ある程度の音では録れるけど、さらに理想の音に近づけるにはどうすればよいのだろうかという疑問の声を耳にします。そこで、プロの現場で活躍するレコーディングエンジニア上甲敬太さんにお話を聞いてみました。

 

1.【レコーディング作業を円滑に進めるコツ】
まず、アーティストに楽曲のイメージを聞いて、それにマッチするようにマイキングしていきます。お互いが意思疎通し合っていないと、録った後で「こうして欲しい」と言われたときに、その方向に修正できないことがあります。かといって、最初から録り直すとなると時間的にも体力的にも大きなロスとなってしまいます。時間や環境にも制限された状況では特に、いかに演奏しやすい環境を作れるか、進行を止めないでリクエストに対応できるかが重要なポイントとなります。

 

2.【録音の心構え】
生楽器の録音では、マイクやヘッドアンプ、コンプレッサー、インターフェイスなど様々な機器を使用し録音していくのですが、リハーサルスタジオ等で録音する場合、制限があります。マイク等の種類や質によって、録り音が変わってくることは確かなのですが、いい物を使ったからといって必ずしもいい音で録れるわけではないのです。極端な話、リハーサルスタジオにあるコンソールのヘッドアンプを使い、全て無料で借りられるマイク等で録っても、いい音で録れる可能性は十分にあります。要は、楽曲をイメージし、生音を聴いてイメージに近づけるマイキングをすればいいのです。いい音、悪い音というのは、すなわち楽曲のイメージに沿っているかどうかなのです。

 

3.【マイキング手法】
先ず、ドラムのマイキングなのですが、マイクを多く立てればいいというものではありません。多く立てればその分だけ、位相が悪くなってしまいヌケない細い音になってしまいがちです。ドラム等、録音する対象が多い楽器は、楽曲のサウンドに必要な部分を録音することに徹するように努めます。バンドサウンドの場合、キックやスネア、全体を録音するトップマイクは欠かせないでしょう。ハイハットやシンバルなどは全体のトップマイクやスネアのマイクに被っていることが多いので、必要なければたてる意味はないのです。単体を録るマイク、全体を録るマイクの特性を生かしてマイキングしていきましょう。ベースやギターにおいては、ラインで録るというのも一つの手法で、アンプを鳴らして録らなければならないというわけではないのです。アンプを使う場合は、そこで鳴っている音を楽曲の一部に溶け込ませるために、どのスピーカーから鳴っている音をどのように録りたいかを考えてマイキングする必要があります。トータルとしてマイク乗り等を考えて、アンプの音を変えていったりすることも重要なファクターになってくるでしょう。

 

4.【各パーツごとのマイキングのポイント】
■キック
キックのマイクにはオーディオテクニカのATM25を使用。一般的にヘッドの外側の皮より奥に突っ込むとアタック感の強い音になり、逆に外に出すと太い胴鳴りが得られる。

kick.jpg

■スネア
スネアのマイクにはSUREのSM57を使用。スネアのマイクは寝かせたり立てたり、また、中心に寄せたりリムよりに立てたりとマイク乗りの音色が変わりやすく、楽曲のコアにも成り得る楽器なので工夫を凝らしたいところです。また、ハイハット等の被りも大きいため、その被り具合の調整にも苦労すると思います。自分のイメージによっていろいろと実験、工夫してみることが必要です。

snare.jpg

■トップ
トップマイクにはダイアフラムが広いペアマイクを使うと無難でしょう。AKGのC414を使用。トップマイクは全体のステレオ感を出したり金物の立体感を出すために必要で、曲によって近づけたり離したりしてみましょう。近づけることによって迫力は増しますが、バシャバシャした感じになるので、楽曲のイメージを損なわない程度にすることが重要です。

top.jpg

■ベース
ベースアンプにはゼンハイザーのMD421を使用。曲調などによって狙うスピーカーをセレクトする必要があります。また、コーンの中心を狙うとアタック感が出て、そこから離していくと中低域の強いまろやかなサウンドになります。マイクの特性もありますが、じっくり音色を見極めて立体感のある楽曲になるようにマイキングしましょう。

bass.jpg

■ギター
ギターアンプにはSUREのSM57を使用。狙うコーンの位置に注意しながら音色を確認していくと良いでしょう。SM57を使う場合、センターよりやや外に外してやると、痛くなりがちな広域を低減させることが出来ます。ギターの音色で曲のスピード感などが左右されることが多いので、慎重に決めていく必要があります。

guitar.jpg

■ボーカル
ボーカルマイクは人によって声の質感が違うため、その人に合ったマイク選びをしましょう。「コンデンサーやチューブマイクでないと」ということもなく、ガッツリ勢いのあるボーカルを狙うならSM57やMD421等、ダイナミックマイクも試してみる価値は十分にあります。時間の許す限り、試行錯誤を繰り返してみてください。

mic.jpg

 

5.【レコーディング作業とは】
レコーディングとは、アーティストが作り上げた世界観を「形」にしていく作業です。レコーディングには、「絶対にこうしなければいけない」というルールはありません。確かに、「位相が悪いと音がヌケない」といった、物理的、音楽的な基礎はありますが、それを踏まえた上で、思いついたアイディアを色々と試してみることが大事だと思います。そうした試みは、ほとんどが失敗に終わるかもしれませんが、その試行錯誤こそがレコーディングであると同時に、カッコいい音を録れるようになる一番の近道だと思います。

bar.jpg

joko.jpg

★エンジニア 上甲 敬太
abel and cain、Fox Loco Phantom、SPONTANIA等新進気鋭のアーティストから絶大な支持を得つつスタジオワークで幅広く活躍。ソリッドな音作りには定評があるエンジニアである。レコーディングスタジオにとどまらず様々な場で、伝統を重んじるばかりでなく、実験的に試行錯誤を繰り返し、これからのレコーディングの新しい在り方を日々探求し続けている。将来を嘱望される期待度が高いエンジニアである。

bar.jpg

★上甲さん所属のレコーディングスタジオ

arts.jpg

〒152-0035 目黒区自由が丘3-7-18ノア21 1F
【TEL】03 – 5731 – 2111
【FAX】03 – 5701 – 5800
http://www.soundarts.jp

bar.jpg

★サウンドスタジオノア RECにおすすめのSubルーム付スタジオ

■ 三軒茶屋店 1st(28帖) ・ C-st (35帖) ・ F-st (20帖)
http://www.studionoah.jp/studio/studio05/index.html
TEL. 03-5432-7221

santya.jpg

■ 高田馬場店 C-st (30帖)
http://www.studionoah.jp/studio/studio11/index.html
TEL.03-3985-6761

baba_c.jpg

■ 駒沢店 C-st (23帖) ・ F-st (16帖)
http://www.studionoah.jp/studio/studio06/index.html
TEL.03-5433-5711

komazawa.jpg

■ 池袋店 E1-st (20帖) ・ E2-st (16帖)
http://www.studionoah.jp/studio/studio13/index.html
TEL.03-5951-8400

ikebukuro_e1.jpg

■ 都立大店 C-st (26帖)
http://www.studionoah.jp/studio/studio08/index.html
TEL.03-3725-0010

toritsu_c.jpg

お得なパック料金やロックアウトでのご利用も可能です!
料金、詳細は各店にお問い合わせいただくか、ホームページにてご確認下さい。