音楽コラム集

【コラム】「ミュージシャンのための英会話」 /鈴木 koyu 浩

和製英語というものがあります。日本人が英語を模して作ったもの、あるいは英語だと思って使っているもののことですが、音楽関係ではどんな和製英語があるでしょうか。

すぐに思いつくのは「シールド」。楽器とアンプを繋ぐものですが、英語では「cable(ケーブル)」と言わないと通じませんね。ちなみに「シールド」は「(ノイズ)を遮断した」という語からの転用でしょう。それから「ハウリング」。マイクがスピーカーから出た音を再度拾って拡声することで音が極端に大きくなり、「キーン」とか「ピー」という音がすることを指します。これを英語話者に「ハウリング」と言ってもほぼ間違いなく通じないと思われます。通常は「フィードバック」と言わないと通じないです。ちなみに国や地域によっては、ライブで使うモニタースピーカーのことも「フィードバック」といいます(PAミキサーに「FB」と書いてあることもあります)。次に和製英語ではありませんが、日本人がとっさに理解できない言葉に「music」という語があります。もちろん「音楽」という意味もある語ですが、実は「楽譜」という意味もあります。たとえばリハーサルに行ったときに「この曲の楽譜ある?」といった場合の「楽譜」は実は「music」なのです。「score」というと複数のパートがアレンジしてある楽譜のことを指すので、通常よくあるようなメロディとコードが書いてあるだけの楽譜は「score」ではないので注意が必要です(コードとメロディだけの楽譜を「リードシート」ということもありますが)。この他にもいろいろありそうですが、「通じてない!」と思ったときは他の言い方をいろいろ試してみるといいでしょう。「音楽は世界の共通語」なんていってみても、コミュニケーションが取れなかったらリハーサルも始まりませんからね。

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■鈴木 koyu 浩
東京在住の外国人音楽家集団、『ONGEN TOKYO』主宰。多国籍バンドINVAGOで今冬ヨーロッパツアー。またBen Kemp&UMINARIでは来年ニュージーランド&オーストラリアツアー。スズキレコーズ代表。プロデューサー。ベース奏者。